加齢臭という言葉を見聞きする機会が増えてきました。
この「加齢臭」という言葉は、化粧品メーカーの資生堂が名づけたそうです。このことが、ネット辞典であるWikipediaに詳しく書かれています。
『加齢臭(かれいしゅう)は、中高年特有の体臭の俗称。
2000年12月11日に、資生堂の研究所により、中高年特有の体臭の原因が不飽和アルデヒドの2-ノネナール(C9H16O、分子量 140.223 g/mol、CAS番号 2463-53-8)であることが発見された。この体臭は、資生堂により「加齢臭」と言う名称が付けられた。
この体臭成分は、青臭さと脂臭さを併せ持ち、男女ともに性差なく40歳代以降に増加が認められる。自身や自分の衣服から蝋燭・チーズ・古本の一つでも臭いがしたら加齢臭と考えて間違いない。ノネナールの抑制には、ノネナールの基質となる脂肪酸である9-ヘキサデセン酸の分解を抑える抗酸化剤と抗菌剤が有効である』
ここに書かれている「ノミナール」という体臭成分が、加齢臭の原因なのです。
加齢臭の原因となるノミナール
加齢臭の原因となるノミナールは、加齢とともに血管の中に溜まる老廃物質です。パルミトオレイン酸という物質が酸化・分解することで、脂肪酸ができ、その脂肪酸の一つがノミナールなのです。この脂肪酸は、加齢を重ねた40歳以降に増える人が多いため、「加齢臭」と名づけられたのです。
加齢臭が男性に多い理由
加齢臭が男性に多い理由は、皮脂とホルモンに関係しています。
男性はもともと、皮脂の分泌量が多いことにともない、パルミトオレイン酸の量が多くなっています。量が多いことに加えて、パルミトオレイン酸を酸化させる活性酸素の働きを抑えるホルモンが、加齢とともに減少するため、パルミトオレイン酸の酸化が進み、ノミナールが増えてしまうのです。
(男性だけではなく、女性で加齢臭になる人もいます)
加齢臭対策
加齢臭対策には、活性酸素対策と臭い対策の両面があります。
活性酸素対策では、活性酸素を作らない生活習慣と活性酸素の働きを抑える抗酸化食品の摂取が大切です。喫煙は活性酸素を増加させます。ストレスや不規則な生活も活性酸素を増加させます。これらの活性酸素を発生させる原因を、生活の中からできるだけ減らすようにしましょう。
さらに、活性酸素を減らすために、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを含む食事やサプリメントを食べるように心がけましょう。
最後に臭い対策についてですが、加齢臭対策用の石鹸などの利用がお薦めです。
皮脂に関係している加齢臭の対策のためには、皮膚を清潔に保ち、余分な皮脂が皮膚の表面に長い間付いていないように石鹸等で洗い流しておく必要があります。
加齢臭という言葉が一般的に知られるようになり、多くの人が臭いに敏感になっています。
残念ながら、臭いがきつい人に不機嫌な態度を示す人がいます。
自分ではなかなか気づかない臭いかもしれませんが、職場などでの人間関係を壊さないためにも、加齢臭対策に気を遣うことが望まれるのです。